からくちのThe Independence

The Big Question: Why is Japan's leader on the ropes, and where does it leave his country? future?
こんなに海外で評判の悪い首相って珍しいよね。とりあえず、面白い記事なんで訳してみました。

大きな疑問:なぜ日本の首相は追い詰められたのか? そして彼の国の行く末は?

By David Mcneill, Tokyo correspondent
Published: 31 July 2007
なぜ我々はこの問いをするのか。
日本の安倍晋三首相は、つい最近自民党をこの半世紀でもっとも悲惨な負けに導いた。日曜の参議院選挙で自民党は27議席を失い、1989年の惨敗に次ぐ負けを期した。連立与党の公明党を含めても、議長権の64議席に達せず、初めて主な野党民主党に明け渡すことになった。

ほとんどの人が、安倍氏も含め、彼に選挙惨敗の責任があることに同意するだろう。政権をとってから10ヶ月間で、この52歳の首相は3人の閣僚の辞任と続発するスキャンダル、閣僚の失言に見舞われてきた。
彼のもっとも大きな政治的失敗は、この急速に高齢化する国において政府が何万もの年金記録を紛失したという年金問題に早急に対応しなかったことにある。重々しい憲法問題にひかれ、安倍氏はその問題を手遅れになるまで放置し、民主党に政治的な好機を与えた。

なぜ安倍氏はこんなにも負けたか
彼は支配するために生まれてきたような、生まれながらの政治家の家柄で、祖父である元首相岸信介氏は自民党の創設者の一人である。昨年9月、安倍氏は自身も3世の保守政治家で戦後政治家の有力者である、前任者の小泉純一郎首相によって選ばれた。自民党の長老たちは、1950年代半ば以降のほとんどを支配してきた自民党は安泰だと信じてきた。今週末、多くの有権者安倍氏は年金や地方の崩壊などの身近な問題に対して、あてにならない、弱い、バカにしていると感じていることを知って、ショックを受けた。

安倍氏は何者で、何を守ろうとしているのか
首相は戦後の日本の首相の中でもっとも急進的・イデオロギー的な保守政治家であり、第二次大戦での日本の歴史を書き換え、憲法を改定し、教育制度を改革しようとしている。これらは自民党が1955年以来かかげてきたものであり、彼の祖父を含めた当時の保守政治家たちが結党の主な理由に挙げたものである。
首相に就任した後、安倍氏は「美しい国」をつくり国の誇りを取り戻したいと言い出した。彼の改革目標には、「夢を持たない若者を救う」ために学校に愛国心を教えることが含まれていた。
人気政治家となる過程で、かれは日本海の向こうのピョンヤンに向けて脅しをかけることで名を挙げた。彼は、高校教科書を書き換え、日本軍が第二次大戦中に行った戦争犯罪についての記述を削除することを目指す右翼政治家団体の長を務めた。国営放送NHKが2001年に作成した、韓国やその他の国々から軍に拉致された「慰安婦」に関するドキュメンタリーの内容に干渉したことを認め、検閲スキャンダルの渦中の一人であった。

彼の批判者や支持者の意見は
日本がアジアでより大きな軍事力を持つことを期待する自民党や米政府のタカ派の圧力で、首相は日本が軍ではなく自衛隊しかもてない制約を与えている憲法9条改定のための地ならしを行った。
安倍氏が「謝罪の証文」と呼ぶこの条文は、日本の保守政治家の不満のもとであった。安倍支持者は、彼のミスが何であれ日本を冷戦構造から引き出し21世紀に向かわせたと評価し、批判者は日本が軍事大国として再浮上する準備をしたと批判する。

これから自民党
この惨敗によって、両院の協力が必要となる安倍氏憲法改正の夢は崩壊し、政府の計画そのものが頓挫しかねない。しかし、与党は衆院で圧倒的多数を占めており、2009年まで総選挙はない。長老、特に元首相の森喜朗氏は、安倍氏内閣改造によって政府を立て直せるかどうかを見るまで待てるかどうかを決めなければならない。
逆風が吹いている:彼の前任者たちである宇野宗佑氏と橋本龍太郎氏はそれぞれ1989年と1998年の同様の敗退後、退陣した。いくつかの主要な新聞も退陣を呼びかけている。自民党の問題は、後継者はいるのか? 外相の麻生太郎氏、元財務大臣谷垣氏などの2名ほどが上がっているが、ほかは見当たらない。

では日本の政治のひとつの時代の終わりか
おそらく。結党して11年、ようやく民主党は日本の政界で認識される勢力となったが、権力をどのように行使できるかは未知数だ。この党は自民党に不満な保守派、独立派などの寄せ集めで、過去とのしがらみを劇的に断ち切ることは期待できないが、左派(社民党共産党)は惨敗した。
自民党は過去に追い詰められても、いつも何とか生き延びてきたが、今回は自民党の地方における基盤に深刻な亀裂が生じたことが示唆される。特に、農家は自民党に見放されたとみなす印象が広がったようだ。民主党は、この支持を元に衆院選挙で政権を奪取することを目指すだろう。それは日本の政治の大きな変革となるに違いない。

こうした変化は国際的にどんな影響があるか
日本における自民党政治の終わりは、半世紀にわたってこの国を支配してきた政財官の鉄のトライアングルをゆさぶり、新風を吹き込むだろう。保守的な地方から都市部へと権力外交し、欧米との関係も大きく変化するだろう。短期的には、安倍氏の敗退によって米軍との集団的自衛権の拡大のもくろみは費えた。民主党の大物鳩山氏は、アフガニスタンでの米軍との協力体制を見直すと断言した。

安倍氏は今退陣すべきか
そのとおり...

  • 人々は安倍氏が自分の政策ばかり優先して人々の関心を無視したことに鉄槌を下した。
  • 政治的奇跡でもない限り、首相は有権者や党員の尊敬を回復できないだろう。
  • 退陣を拒否すれば、政府が麻痺し世界第2の経済大国が不安定化する。

必要ない...

  • 首相は数箇所の重要な外遊など、忙しい日程がすでに予定されている
  • 彼の言葉によれば、退陣は「政治的空白」を生み、誰も彼の後任を望まない
  • 退陣によって憲法改正が何年も滞る

どう考えても、退陣してもらいたがっていますね、この記事。慰安婦決議も米下院で通ったし、やはり責任(一文字)をとったほうがよろしいかと。しかし、あの決議に関連して、「ついにアメリカも某国の手下に!」という意見を見たので笑えた。
アメリカに失礼だよ!