昔(2002年)日朝平壌宣言てのがありましたとさ

昔々、小泉純一郎という大変人気のある総理大臣がおったそうな。2002年の9月に平壌で、金正日氏と共同でこんな宣言をしたんだった。首相官邸ホームページ

2.日本側は、過去の植民地支配によって、朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたという歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明した。 双方は、日本側が朝鮮民主主義人民共和国側に対して、国交正常化の後、双方が適切と考える期間にわたり、無償資金協力、低金利の長期借款供与及び国際機関を通じた人道主義的支援等の経済協力を実施し、また、民間経済活動を支援する見地から国際協力銀行等による融資、信用供与等が実施されることが、この宣言の精神に合致するとの基本認識の下、国交正常化交渉において、経済協力の具体的な規模と内容を誠実に協議することとした。
 双方は、国交正常化を実現するにあたっては、1945年8月15日以前に生じた事由に基づく両国及びその国民のすべての財産及び請求権を相互に放棄するとの基本原則に従い、国交正常化交渉においてこれを具体的に協議することとした。 双方は、在日朝鮮人の地位に関する問題及び文化財の問題については、国交正常化交渉において誠実に協議することとした。

太字はワタスがつけました。「痛切な反省と心からのお詫びの気持ち」ってありますな。でも後段では、植民地時代の個別補償はしませんて書いてある。なんだかなー。
でもその後朝鮮民主主義人民共和国はNPT脱退しちゃって、なんだかんだで国交正常化できんかった。半年後の小泉氏のインタビュー:首相官邸ホームページ

【質問】 総理は先ほどの中で、日米同盟の重要性ということを強調されました。その中には北朝鮮の核開発問題、ミサイル問題に対応するということも念頭にはおありだったんでしょうか。

【小泉総理】 北朝鮮との関係につきましては、昨年9月17日、私は北朝鮮を訪問し、金正日総書記との間に日朝平壌宣言、この政治文書を発表し、今後は現在の不正常な関係を正常化していこうという意思を確認いたしました。この方針に現在も変わりありませんが、私は今、北朝鮮との交渉が停滞しているということは認めます。しかし、この日朝平壌宣言の精神を尊重していかなければならない。お互いがこの日朝平壌宣言を誠実に実行に移すことによって、日朝間の正常化がなされる。現在の北朝鮮と日本との敵対関係が友好関係になり得ると思っております。
 そういうことから私は北朝鮮側もこの日朝平壌宣言の発表は成果であるということを認めております。今後ともそういう気持ちで北朝鮮との交渉を進めて、将来日朝間に正常化、友好関係を持てるような形で今後も交渉を進展させていきたいと思っておりますが、現在、北朝鮮の脅威ということでございますが、確かに拉致とか不審船の問題で北朝鮮に対する脅威を感じている国民も多いと思います。また、最近の一連の核問題に対する挑発的な行動を見ますと、脅威を感ずる多くの国民がいるというのも無理からぬことでありますが、私はこういう問題に対しましても、日米同盟関係が有効に機能していると思っております。
 北朝鮮が暴発しないような努力をアメリカ・韓国と緊密な連携の下に取っていかなくてはならないと思っております。これは私は日本独自の問題でありますが、同時にアメリカ・韓国、地域全体の平和の問題に関わっておりますので、今後も北朝鮮の関係につきましては、日本・アメリカ・韓国、あるいはロシア・中国・EU、国際社会の働きかけも必要だと思いますので、そういう観点からできるだけ脅威を少なくしていく、脅威をなくしていくというような対応を取っていきたいと思います。

太字はワタスがつけました。植民地時代の問題をきちんと清算しようとしないこの日朝平壌宣言は問題大ありだったわけだけど、これすらすすめられずに今日まできちゃったわけで。小泉氏は「脅威をなくしていく」と言ったのに、全然なくならないどころか、にっちもさっちもいかん状態ですわな。
まとめると、1)東アジアでの危機について、この8年間の外交政策は失敗だった、2)失敗を認められないので解決の糸口はない、3)解決のために他国(中国と米国)にたよるほかない、ってかんじ。さらに、直接影響があるわけでもないのに、とんちんかんな反応(走れ小心者 - おこじょの日記)をして、ますます手持ちのカードを減らしてるよね。ていうか、蚊帳の外。
オバマ氏もそうだけど、リベラルだと目されてた側が権力とったとたん、「弱腰」批判に屈してかえって事態を悪化させちゃうって、どーよ。なんつうか、情けないよな。