人の「感情」に無頓着すぎ

小倉弁護士が労働者保護をテーマに経済学者と議論しているのをまとめたのを、読んだよ。労働者保護,選択の自由と児童労働 - Togetter
ワタスは小倉弁護士の方が理で優ってると思ったな。なんつうか

インドで労働者寄りに法改正した州ほど生産・雇用も低く都市貧困が多かった、という結果も報告されており、低成長・低雇用・低家庭収入を通じた児童労働への影響もありそうです。

とか

労働者保護重要ですが,副作用への目配りも必要ですね.労働者寄りの労働法→労働争議増→企業は投資や立地回避

とかいった発言に、違和感感じた。で、違和感がどこからくるのかなーと思ったら、小倉氏が個別具体例(19世紀英国での児童労働)をあげて議論してるのに、なんか「他人事」ていう感じだからかなと。誰一人としてさ、「私は雇用者から特段の理由なく1週間後に解雇されることを受け入れる覚悟があります。それはこの国の発展にやむを得ないことです」て言わないんだもん。今の雇用情勢で労働者保護を緩めたら、ますます仕事を失う人って増えるとおもう。自分も失業者に甘んじる覚悟があるのかねー。あと、健康で人間らしい生活ができるような労働環境って、やはりなんらかの法律で強制されないと守りにくいんでは?変なことする企業は市場から淘汰されるつうけど、食品偽装や耐震偽装だってばれるまではよろしくやってたんだし。
ところで、リンク先に紹介されてたインドの話関連で、ILOがこんな報告書を出してたよ。http://www.ilo.org/wcmsp5/groups/public/---ed_emp/---emp_elm/---analysis/documents/publication/wcms_113926.pdf
その中にあった一節。

As should be evident from the foregoing, the essence of the criticism of the proponents of labour market reforms rests on the following: “labour market interventions misallocate labour; they waste resources through rent seeking; they impair adjustments to economic shocks; and they deter investment, thereby reducing rates of growth” (ADB, 2005, p. 27). Their targets of criticism are laws to minimum wage, unemployment benefits and other welfare supports, trade union activities, and the norms of labour standards. These arguments have been subjected to searching criticism, some of which are discussed briefly in the following; however the point may be made right away that typically these assessments are micro-theoretic and, as Freeman suggests, most of these are often of piecemeal nature.

労働市場の改革を支持する者の意見は次のようにまとめることができる。「労働市場への介入は労働力の偏在をもたらす、貸出先探しで資金を無駄にする、投資を妨げる、不況への対応を阻害し、成長を減速させる」彼らの批判の的は最低賃金を定める法律、失業手当他福祉、組合活動、労働基準である。これらの意見はのちに述べるように批判にさらされてきたが、端的にいうとフリーマンがいうようにミクロ理論的で断片的な見解である。