1969年からずっと同じこと言ってる人

石原都知事が、日本も核武装だとか言ってるようです。懲りない人ですね。memo: 6/20・石原都知事「核武装・徴兵制・軍事政権」発言 - Togetter
冷静に考えて、原発が大変なことになって世界中に醜態をさらしてる最中だってのに、そんな国が核武装なんて現実味なさすぎ。この状況で、NPT脱退するって正気とは思えない。そんなことしたら、2万%の確率で各国から経済制裁を受けて、みんな難民になって脱出するか、飢えに苦しむか、どっちかになっちゃう。
ところで、大江健三郎氏の「沖縄ノート」に、これ石原氏のことだよねっていう記述があったよ。「多様性に向かって」という章から:

僕がとりつかれている現実的な悪夢のひとつは、沖縄を覆う各戦略体制にかかわっている。僕が核兵器について語られる言葉にふれるたびに、自分の内部の、この暗い渦巻きの深みへとひきこまれるような感覚をあじあわないわけにはゆかない。たとえば、かつて幾つかのすぐれた短編小説を書いた作家であり、いまは保守党随一の花やかなヒーローであるところの国会議員が、核武装しなければまともな外交がおこなわれえない、というような、およそ単純ともなんとも表現しがたい政治的意見を主張する。

40年以上も前から同じ主張をしていて、いまだに実現に至ってない政治主張。ふつー、もういい加減に実現不可能とあきらめるか、実現にこぎつけられない己の政治的無能を恥じて主張を引っ込めるか、どっちかじゃないの?それとも、実現不可能と分かっているけど主張をやめられないの?
口先だけは勇ましいが、実現のための具体性なんてかけらも感じられない。それでも、石原氏の言葉にリーダーシップやら決断力やらを感じてしまう人は多いんだろうな。
先日の都知事選の後、「こーゆー時代だから、やっぱりはっきりものをいう人がいい」という意見を身近で聞いたよ。「えー?政治家って何を言ったかじゃなくて何をやったかじゃないんですかぁ?」って反論してみたけど同意は得られなかった。自分の生活が特段困ってない、あるいは政治によって生活がよくなることなんか期待してない人は、これまでやってきた政治の中身よりも、その場その場の勢いある言葉を求めちゃうんだろうか。
勢いだけを求めてたんじゃ、この先また道を間違っちゃう気がする、そんな慰霊の日。