医療訴訟の賠償額の上限が低めのテキサスで医者急増中？！

More Doctors in Texas After Malpractice Caps
テキサスでは賠償額の上限を定めた法律が２００３年から施行され、全米から医者が集まってきてるそうな。去年は前年比３０％増だってさ。

For pain and suffering, so-called noneconomic damage, patients can sue a doctor and, in unusual cases, up to two health care institutions for no more than $250,000 each, under limits adopted by the Legislature. Plaintiffs can still recover economic losses, like the cost of continuing medical care or lost income, but the amount they can win was capped at $1.6 million in death cases.
この法律では痛みや苦痛などのいわゆる非経済的な損害について、医師と例外的な場合は最高２施設まで訴えることができるが、賠償額は最高２万５千ドルである。継続した医療費や失われた収入の分を取り戻すことはできるが、死亡時でも最高１６０万ドルまでしか請求できない。

All but 15 states have adopted some limits on medical damage awards, according to the National Conference of State Legislatures. But the restrictions in Texas go further than in many states, where the limits are often twice as high as they are here.
１５の州を除くすべての州で医療被害の賠償額の上限が設けられている。しかし、多くの州の上限値はテキサスの倍近くである。

訴えられた時の金額が低いおかげで医者が増えたって言ったって、貧しい地域にはまだ足りないという批判もあるそうですが。

The increase in doctors — double the rate of the population increase — has raised the state’s ranking in physicians per capita to 42nd in 2005 from 48th in 2001, according to the American Medical Association. It is most likely considerably higher now, according to the medical association, which takes two years to compile the standings. Still, the latest figures show Texas with 194 patient-care physicians per 100,000 population, far below the District of Columbia, which led the nation with 659.
人口増加の倍に相当する医師数の増加によって、米国医学協会によると人口当たりの医師数の順位が２００１年の４８位から２００５年には４２位に上がった。現時点ではもっと高いと推定される。しかし、人口１０万あたりの医師数は１９４人と、依然首位のブリティッシュコロンビアの６５９人とは差が大きい。

The Texas Medical Board reports licensing 10,878 new physicians since 2003, up from 8,391 in the prior four years. It issued a record 980 medical licenses at its last meeting in August, raising the number of doctors in Texas to 44,752, with a backlog of nearly 2,500 applications.
テキサス医師会は２００３年から登録した医師は１０３７８人で、その前の４年間は８３９１人だったと報告している。８月には、記録的な９８０件の医師免許発行数となり、テキサスの医師数は44,752名で登録待ちが2500名となった。

アメリカは州ごとに法律が違うから、こんなふうなんだね。
もちろん、本来は病気やけがが治って元気になれるはずの医療行為で、障害が残ったり死亡したりしたら訴えたくなる気持ちはわかるよ。でも医療行為をしなかったら、もっとひどいことになってたかもしれないし、それは確かめようがないよね。うちの母は、心臓の弁膜症が見つかっていろいろ検査してるうちに脳梗塞起こしてまひが残っちゃったんだ。いくら病院かかり中だったからって、予防できない病気だってある。そういうふうに考えられるようになるまで、いろいろ調べたりして時間がかかったよ。
だからさ、むっきー！訴えなきゃって考えないようにするためには、人間の体についていろいろ知ることも大切だし、それから障害が残った時に経済的に支援してもらえることが大事だと思う。母の場合、無料タクシー券が自治体から補助されたのが大きかったし(通院が楽！)、医療費も当時はタダだった。でももう全部切られちゃったけどね。
ワタスの座右の銘は、「人間の死亡率は100％」。無事に生きてることに感謝、ですわ。