派遣村に関する雑感

いやいや、自分の周りでリアル「自己責任論者」と対峙すると、かなりへこむよ。しかもどちらも50代で、あそこで派遣切りにあって困っている人の親世代。
Aさん:なんで厚生労働省の講堂なんかにいるの?早く追い出せばいいのに。
Bさん:マスコミが大々的に取り上げるからいい気になってる。
ワタスは、その人々がどんな事情で派遣村に集まったのか全く事情がわからないのに、まるでウジ虫のようにけなすのはどーゆー心境からだろうかと非常にきになりやした。でもまさか、面と向かって「要するに、あの人らに自分の不徳を恥じてさっさとのたれ死ね、ってことですねwww」なんて言い返せるはずもなく、「派遣しか仕事がなかったから仕方がないんじゃ…」と小声で反論できただけで、恥ずかしい限りです。たぶん、年配の方々には寒空に放り出されるようなしょぼい仕事にしかつけなかったくせに、役所の講堂を要求するのは盗人猛々しく映るのでしょう。
テレビの向こうにいる他人を非難するのはいとも簡単なこと。でも、周りを見回せば同じ職場にもパートや派遣の人はいくらでもいるのだよ。そーゆー人の中には、仕方なくパートや派遣やってる人もたぶん、絶対いる。いわゆる正社員になりたくても、仕事内容や通勤距離や家庭の事情もろもろで、条件が折り合わないとかいくらでもあるじゃん。自分の身近な派遣の人と、あの寒空の下の人々とは同じには見えないかもしれないけど、「不安定な立場」ということでは通じるものがあるんだからさ。
それからよく「努力が足りなかったから」とかいうけど、自分が幸いにして今の安定した仕事にありつけたのって、「運」も大きいと思うのだよ。運よく教育熱心な家に生まれたから学歴をつけることができたとか、熱心な先生が学校にいたので勉強意欲がわいたとか、いい先輩が紹介してくれていいとこに就職できたとか。時代の影響も大きいし。ワタスが就職して数年後には、いわゆる就職氷河期で、正社員のポストは激減してた。これじゃ、どんなに望んでも派遣やパート以外就職先がない人もそりゃでるよ。なんつうか、個人の些細な努力だけではどーにもこーにもならん地点にきてしまったわけじゃん。最近のワタスの職場もそーだけど、提示している待遇がしょぼいくせに、正社員に要求してる基準がすげーきびしいの。当然、応募する人なんかほとんどないよ。それでいて上の方は、「人がいない」とこぼしてる。さっさと目を覚ませ!つうの。

ところで日本ダイスキーの方々は、なんで「困ってる人々を放置するなんて、日本の伝統にそぐわない!」といって立ち上がらないんだろ。