何が内で何が外か?

排外主義としての護憲論――森永卓郎 : 私にも話させてで、森永卓郎氏の「左からの排外主義」が指摘されていて、リンク先を含めて氏の移民政策反対の底にある「排外主義」にうんざり。
たとえばこれ:http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/o/160/index.html
経団連が移民の受け入れを提言をしていることを批判して、こう書くんだ。

はたして、それほどの移民をスムースに受け入れることができるのか。そもそも、移民を受け入れれば、社会的に大きなコストがかかることは、欧米の例を見ても明らかであり、その点については国内でもさんざん議論されてきた。

 今回の報告書で多少なりとも進歩しているのは、そうした問題点をはっきりと認識している点だろう。移民を受け入れた場合、定住者に対する教育、失業対策、住宅対策、医療など、さまざまな社会コストが発生して、それが最終的に国民の負担になることを認めている。

まるで、外国人は日本人のお荷物だみたいな、いやーないい方だな。でもさ、企業は多額の税金を納めてるんだから、移民受け入れの社会コストが「国民」負担の増加ばかりにつながるみたいな言い方はおかしいんじゃないか?
それから、後半でイタリアは日本と同じくらい少子高齢化なのに、ゆったりと暮らしてるみたいなことが書いてあるけど、イタリアにだって移民はたくさん(約100万人)いるのにね。最近、イタリアでも排外主義の高まりで、移民法が改正になる見込みだそうだ。
NY Times: Xenophobia Threatens Italy, President Warns

Under the terms of the bill, which was passed Thursday by the Chamber of Deputies after three confidence votes Wednesday to approve amendments, illegal immigrants entering or residing in Italy will be fined up to 10,000 euros, or about $13,500, before being expelled.

In addition, the period of time that foreigners can be held in detention centers has been tripled to 180 days. An African woman killed herself at one such center near Rome last week.

The bill, backed by Prime Minister Silvio Berlusconi’s coalition allies in the Northern League, which has championed a legislative hard line against immigration, also sanctions the creation of neighborhood watch groups to increase security on Italian streets.

14日(木)に下院を通過した法案では、不法に入国・滞在した移民は強制退去前に1万ユーロの罰金を科せられる。さらに、収容施設に留置できる期間も、従来の3倍の180日となる。先週、ローマ近郊の収容施設でアフリカ人女性が自殺した。この法案はベルルスコーニ首相に協力する北部リーグに支持されており、移民に対して強硬な政策を誇っている。また、近隣で防犯のための監視グループの立ち上げを支持している。

不法移民の多くは、イタリアで子供の面倒を見たりお年寄りの介護に携わったりしているんだって。あれれ、移民なしでも心豊かに暮らしてるんじゃなかったのね。

自分の生まれた国で生計がたつ人ばっかりじゃないんだよね、残念ながら。より暮らしやすいところを求めて外国へ出かけて行くというのは、そんなに間違ってるのかな?わざわざ外国へいくというのは、やはり思いきったことなんだろうと思うよ。そーゆー不便さを乗り越えてでも仕事を求めなきゃならない、せっぱつまった人に対して、同じ人間としてみないというのはなんつうか心が狭いっつうか。
日本の良さが失われるみたいな意見もあるけど、「良さ」って具体的に何なのかね。巷で流行ってる歌だって、日本語と英語のちゃんぽんジャン。都会の町並みに、これがよき日本だ!って感じられるかね。不運にも旅先で新型インフルエンザになって隔離され、親にも会えずにいる高校生を罵倒する心の冷たい人々もいたり。ワタスには、外国から守らなきゃならん「良き日本」とやらが具体的にわかんないよ。
ちなみに、ワタスは仕事柄年間ふた桁以上の外国人とお会いしますが、何人だからどーたらというより、それぞれの人柄ですわな。まずは、外国人というカオなしでなく、人間なんだと思うところから話は始まるのではないのかな?移民政策も。