選択的でも夫婦別姓が好かれないわけ

ネットでみると、結構反対が多いんだけど・・・またニュースになってたね。http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100723-OYT1T00856.htm

Yahooニュースのコメ欄などなどで激しくこの選択的別姓法案に反対してる人は、「家族解体法案だ」とか「つれあいと同姓を選ばない人間は結婚の資格がない」とか言ってて、賛成してる人は「別姓くらいで解体する家族はとっくに崩壊してる」とか「選択の自由の幅が広がるのは良いことだ」って言ってて、全然噛み合ってないなーと思いますた。

ところで、つらつらと考えるに、この「家族を解体する」というのがキーワードな気がしてきたんすね。別姓を「選択する」ことが可能なことで、自分の現在あるいは将来、家族が解体の危機に瀕するかも、っていう恐怖。

具体的に挙げてみやしょう。今結婚を控えてるカップルがいたとします。女性が「私、自分の名字が好きだから、結婚しても変えたくないの。いいでしょ?もうすぐ法律が変わるし。」と言ったとします。でも男性は、結婚したら当然自分の姓に変わってくれるものと寸分も疑ってなかったんで、非常に戸惑い、ショックを受ける。「彼女が僕の名字を嫌ってたなんて。本当は僕のことを愛してないのかもしれない」彼を愛してないのではなくて、自分の名字に愛着があるだけなんですが、なんだか人格を全否定された気になるかもしれません。ま、相手に姓を変えることを強要するのも、ある意味人格の否定なんですが、相手の事情を思いやる余裕がないのかもね。

すでに同姓婚をしている女性がいます。友人から連絡があり、近々結婚するとのこと。「でも私、名字変わらないから。ほら、法律変わったでしょ。○○も、もう少し結婚遅らせてたら、変えなくてもよかったのにねー」と言われたとします。自分は夫と同姓で満足なのに、なんだか損した気になりませんか?

結婚20年になるご夫婦がいます。ある日、妻が夫に「今は結婚しても名字を変えないこともできるのね。私もそうしたかった」と言ったとします。夫は、ずーっと妻がよろこんで自分の姓になったものと思っていたのに、実はそうではなかったことにショックを受けます。「そんなに自分の姓が嫌だったんだ」あるいは、この法案を聞きつけた子供が考えもなしに、「お父さんの名字よりお母さんの名字のほうが、カッコよかったのになあ」と言ったとします。「自分はカッコ悪いのか」大ショックです。

ワタスは、選択肢を広げるといういみでこの法案には賛成です。でも、いろんな意味で個人の生活に影響が出るんだろうなあとは思うんです。だから、これを進める立場の人は、「あなたの家族が解体されるわけではない」ってことを、反対する人に丁寧に説明しなくてはいけないのかなーと思います。しかし、上であげたような話って、今もどこかで起きてそうですな。