漠然とした「不安」

Japan as No 1と呼ばれた日々は遠く過ぎ去り、日出る国でなくて沈みかけ、みたいな昨今。景気よく散財する中国人観光客の姿に心穏やかでない人も多かろう、てのは心情として理解できる。前にも紹介したレイシスト発言の人(参照2010-06-10 - おこじょの日記)も、銀座などで盛んに買い物している観光客を「うるさいし、めざわり」だってよく言ってるもんな。同僚でも同意する人いるし。相変わらずあまのじゃくなんで、「でも日本の隣に中国がなかったら、もっと日本て不景気かもしれないですよ」って言ったら、そこで会話が終わってしもた。
一部の人は大変残念かもしれないけど、12億人からなる広大な国が強力な中央政府で統率されてて、いろんな環境規制とかもまだまだゆるくて、住んでる人の生活水準が上がりつつあって物を買いたい人がどんどん増えてる国ってほかにないもん。たとえば、ロシアとガンガン経済交流できるかな?インドは? 今中国で展開してる企業で、あっさりロシアやインドに移行できるとこなんてそうそうないと思う。外国で事業をたちあげようと思ったら、下調べだとかコネづくりだとか、なんだかんだで手間かかるやん。だから、経済界にしてみれば日本のデモも中国のデモも、「商売の邪魔しやがって」てな感じだろう。
先日の秋葉原での「反中」デモだけど、なんだかんだと理由はあっても、自分たちのシマが荒らされるみたいな「不安」に駆り立てられてる人が増えてるのが、参加者が結構多かった理由なのかなとおもう。中国人らは自分らには買えないものをどんどん買って見せびらかしている、そのうち自分の周りの物も全部全部買い占められて、そして中国の一部になるのだプギャー!
昔々バブルのころ、ニューヨークやパリのブランドショップに日本人が大挙して買い物してたのと瓜二つの現象が、いま自分たちの町で起きてるんだな。あのころ、黄禍論みたいな意見も海外ニュースで見た記憶がある。そいでどーなったかつうと、ブランドショップたちは商魂たくましく日本にやってきて、次々と東京に店を出した。最近は撤退気味だけど。猫も杓子も彼女にティファニーやカルチエやらプレゼントしてる感じだったな。それでも相変わらず海外へ買い出しに行く人はいっぱいいて、いわくパリでしか手に入らない限定品を買わねば、東京店の有象無象と区別できないとか。上海のソニーショップで買うより東京で買いたいって言ってる観光客と、いったいどこが違うんでしょう。
秋葉原電気店だって、買ってくれるお客さんに買ってもらいたいから中国語で案内出したりしてるわけじゃん。かつてハワイでも香港でも日本人が大挙してた店は、日本語OKだったよ。自分たちはそのように扱われて当然、でも中国人をもてなすのは許さんてのは道理が通らんよ。
高齢化社会のせいかも知らんが、なんだかお年寄り特有の被害妄想的な発想が近頃目立ってる気がするねえ。「嫁はいつも陰で悪口を言う」「嫁は私が死ぬのを待ってる」「嫁がこっそり私の財布からお金を抜いた」「嫁は遺産を狙ってる」「いつか嫁に殺される」嫁に中国を代入したら、あらふしぎ!まるで某団体みたい。
ところで、例のデモをマスコミが大きく取り上げないのはけしからんとか意見がでてるらしいけど、そんなことしたらますます東京オリンピックが遠のくと思いますが、いいんでしょうか。ワタスはオリンピックどーでもいいけどさ。
どこかマスコミが石原知事にデモの感想聞いてこないかな。