建前か国益か、アメリカのジレンマ

世界中の人々が、自らの意志で自由で民主的な国家をつくる、それを後押しするのがアメリカの正義。でも実際は、国益にとって都合がよければ、そんな建前は後回しだったよね、という記事。そして、今のエジプトの状況はアメリカに建前と国益をつきつけている。Bloomberg - Are you a robot?
かつて、人権擁護に最も熱心だったカーター大統領の顛末は:

No president came into office more devoted to human rights than Jimmy Carter three decades earlier. Yet when confronted with the repressive policies of a key strategic ally, the shah of Iran, the administration waffled.

The upshot was that the shah was overthrown by an Islamic revolution, and the Carter administration and the U.S. lost on all counts. The Iranians, deeply resentful of American support for the shah that long predated Carter, were virulently anti- American and the realpolitik experts assailed Carter for failing to support an ally.

30年前に政権を担当したジミー・カーター氏ほど人権問題に熱心だった大統領はいない。しかし、重要な戦略的パートナーだったイラン国王が強圧的な政策をとっていたとき、政権は及び腰だった。結局イスラム革命で王は追い出され、カーター政権と米国はどちらも失敗した。カーター氏以前の大統領たちが王を支えてきたことでイラン国民は非常に反米的であり、現実主義者の専門家らは、カーター氏は重要な同盟者を支援しなかったと非難した。

米国は親イスラエル的なムバラク政権を維持するために、独裁制に目をつむって毎年15億ドルも支援し続けてきたんだってさ。当然、今回の大規模デモにも「反米的」要素はあるよねー。この機運が、他の親米独裁国家(サウジとか)に波及するのが、いっちゃん心配だろうね。
米国も苦しい立場だ。ここでムバラク氏支持とか言っちゃったら、民主化運動を否定することになっちゃう。でも、反米イスラム原理主義政権ができても困る。ま、「自業自得」だけどね。
何が何でも米国についていくのが、「生きる道」だと思ってる国は、世界でも極東の某国くらいかもねー。